今年6月に北京へ進出した日本のギャラリーとして、ミヅマアートギャラリーを
取材し、sankei expressのアート面に記事を書きました。少し長いのですが、
転載しておきます。
世界のアートの中心といえば、ニューヨークやロンドンが有名だが、近年になって
北京が急浮上している。経済成長や北京五輪を契機に文化産業を国策として推進
する中国に、欧米のアート関係者が注目。日本の現代アートシーンを牽引する
「ミヅマアートギャラリー」(東京都目黒区)も今春、北京に進出した。その狙いとは?
北京空港近くの「草場地」。ギャラリーや作家のアトリエが増加し、新しいアートスポット
として知られるようになったこの地に、「MIZUMA&ONE GALLERY」(中国名:
三潴画廊)が4月末、オープンした。会田(あいだ)誠や天明屋尚(てんみょうや・
ひさし)、山口晃など気鋭のアーティストを擁するミヅマアートギャラリーの姉妹画廊に
あたる。
■「NY・ソーホーのよう」
「去年、北京のアートフェアへ行った際、カルチャーショックを受けました」と話すディ
レクター、三潴末雄(みずま・すえお)さん。「北京には米国並みのスケールでギャラ
リーが集積している。東京がローカルに見えてきました」
特に草場地は先鋭的なギャラリーが急増し、かつて新しいアートを生み出してきた
「ニューヨークのソーホーのような状況」。海外のギャラリーも多く、「世界のアート
ピープルを引きつけている」という。
「日本のアートは村上隆や奈良美智(よしとも)が有名ですが、これまで若い作家は
ほとんど知られていなかった。最近、海外で認知されるようになってきているが、東京
ではまとまって作品を見られる場所がありません」。アートの中心地になりつつある
北京で画廊を開けば、作家を世界に紹介することにつながると考えた。
■中国ならではの問題も
「今、中国ではこれまでアートに興味なかった人たちが、国家戦略や投資としての
アートに注目し、ドラスティックに変わってきています」と指摘するのは、日本最大の
アート見本市「アートフェア東京」のエグゼクティブ・ディレクター、辛美沙(しん・みさ)
さん。「日本では少しずつ変化はしていますが、市場はまだ育っていない。東京で
何年も画廊を経営するよりも、北京に進出したほうが世界から注目される機会が
増えます」
しかし、中国ならではの問題も少なくない。オープン初日、展示されていた天明屋の
作品「神風」に、中国人作家からクレームがつけられた。「神風」は過剰に装飾された
トラックのごとく、零戦が描かれている。「中国で零戦の絵が展示されるのは不愉快」
というのが中国人作家の主張だった。
「これは、あなたたちが考えているような絵ではない」-。そう理解を求めた三潴さん。
「日本と中国はお互い不幸な歴史がある。アレルギー反応を起こすのもわかるが、
戯画化して零戦を意味のないものに仕上げている、戦争賛美の人から見れば、逆に
怒られるような作品です」と語る。
オープニング企画展のタイトルは「Off the Rails/反主流」。反主流とは、メーン
ストリームではないという意味。欧米中心の歴史を持つアートとは異なる、日本や
アジアの独自なアートを紹介したいという三潴さんの思いが込められている。「その
“文化の先遣隊”として、中国と一緒にできれば」
この記事は東京で取材して書いたものですが、先日、北京へ旅行した際に
ギャラリーのある草場地まで足を伸ばしてきました。インタビューで三潴さんの意気
込みを感じてはいたものの、いざ現地を見ると、北京の現代アートのパワーに気押
されました。少しそのあたりをご紹介していきたいです。まずは、「MIZUMA&ONE
GALLERY」から・・・

草場地は、北京市の郊外、ここ2、3年に急速に現代アート系のギャラリーが集まり
つつある地区です。そのきっかけとなったのは、五輪のメインスタジアム「鳥の巣」
建設にもかかわったアーティスト、艾未未(アイ・ウェイウェイ)のスタジオでした。
この建物も、彼が手がけたもので、草場地の景観を作っています。その一角に、
「MIZUMA&ONE GALLERY」はありました。

まず、迎えてくれるのは、鴻池朋子さんの作品です。

など、ミヅマアートギャラリーを代表するアーティストの作品が並びます。

オープニングの企画展では、気鋭11人の作品が紹介されました。
展覧会タイトルは「反主流」でしたが、ここから、新しいアートが世界に向けて
発信されていくことを期待しています。いつの日か、世界の「主流」に。


by iza326
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